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デザインの寄付レポート【Vol.6】オンライン灯ろう流し

こんにちは!ディレクターの江連です。
3ヶ月目に入り、3mmくらいは成長できたと思いたい今日この頃。再び広報ブログ執筆を任命いただきました。
今回は“デザインの寄付活動”第6弾についてご紹介させていただきます!

6つめのデザインの寄付について

1947年〜現在まで、毎年8月6日に広島では市民の手により“とうろう流し”が行われています。
原爆によって親族や知人を失った遺族・市民たちが、供養のために手作り灯ろうを川に流したのがはじまりとされ、いまでは「慰霊」と「ピースメッセージ」両方の意味を持つようになったそうです。

第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展様は、この“とうろう流し”が戦争や平和について考えるきっかけになってほしいとの思いから、仮想空間の川に灯ろうとメッセージを流す「オンライン灯ろう流し-灯ろうに込めるメッセージ-」プロジェクトを2015年にスタートさせました。
2024年にWebサイトの全面リニューアルをおこなうこととなり、Re:designではこちらのLPサイト、オンライン投稿画面、デジタルサイネージ画面などのデザインと、フロントエンドの実装を寄付させていただきました。

第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展とは

プロジェクトを企画された“第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展”様についてご紹介させていただきます。
戦後70年である2015年、被爆三世である代表の呼びかけにより活動を開始した任意団体です。
東京在住のクリエイターやアーティストが中心となり、戦争を知らない世代(第三世代)が次の世代へ継承していく方法を探ることをテーマとして、企画展や戦争体験者と非体験者をつなげる活動を行っています。

被爆者、平和活動者へのインタビュー取材や、平和学習ツールの開発、講演、ワークショップなど…さまざまな活動を通して、ただ情報を受け取るだけではなく、自らが意志を持って過去の出来事を「知り・学び・聞いて・考えること」。
そして、戦争や平和に対して自分なりの答えを出していくこと。
そのきっかけとなる場所を、参加者と共に創っていく活動を続けていらっしゃいます。

今回の「オンライン灯ろう流し-灯ろうに込めるメッセージ-」Webサイトの全面リニューアルでは、弊社をはじめ多くの方が制作に参加されて、今回のWebサイトが完成しました。


〜今回のWebサイト制作に参加された皆様〜

オンライン灯ろう流し-灯ろうに込めるメッセージ-

Webサイトに訪れた人が、平和への想いを込めた灯ろうを仮想空間の川に流すことで、そのメッセージが広島の施設や街中のデジタルサイネージに投影されます。
2024年は、8月3日(土)〜8月12日(月)の間メッセージを募集し総計16,328件ものメッセージが届けられました。

仮想空間の川に灯ろうを流す様子

メッセージの統計結果

2024年のメッセージ募集は締切となりましたが、Webサイトでは届いたメッセージや統計を見ることができます。
この統計を見ると、灯ろう流しに参加してくださった半数以上が10代〜40代の若い世代の方々。
日本だけでなく、海外からも参加してくださる方もいらっしゃいました。

これからできそうな平和へのアクションは?という質問には、「戦争や平和を学べる場所や資料館に行く」「世界情勢やニュースに関心を持つ」「他の人と戦争・平和、今の社会について話しあう」「差別・偏見をなくす」との答えが多く寄せられました。

一人一人ができること・考えられることには限界がありますが、ほんの少しでもこのアクションを続けていくことが、平和への第一歩なのかもしれません。

プロジェクトメンバーからのコメント

今回のプロジェクトをご担当いただいた、第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展の久保田様、そしてRe:designのチームメンバーにコメントをいただきました。

第三世代が考える
ヒロシマ「」継ぐ展
久保田様
この度は、オンライン灯ろう流しのリニューアル制作にお力添えをいただき、誠にありがとうございました。
SNSで「デザインの寄付」について知り、2022年にお問合せフォームからご相談をさせていただいた際、今回のプロジェクトの規模から、どこまで「寄付」としてご協力いただけるのか、そもそも携わっていただけるのか、不安を感じながらメッセージをお送りしたのを覚えています。
しかし、そのような不安を払拭するかのように、ヒアリングから制作に至るまで、私たちの想いや意図を丁寧に汲み取り、形にしてくださいました。
特に、栃木から広島まで足を運び、現地の灯ろう流しをご覧になった上で構想を練ってくださったことは、広島人として大変嬉しかったです。
私自身もクリエイターとして活動しているため、この「デザインの寄付」活動自体がどれほど大変なことか、頭が下がる思いです。
Re:designの皆さま、渡辺さん、金さん、磯さん、薄井さん、本当にありがとうございました。
渡辺 祐樹
栃木に住んでいると広島は遠く、修学旅行も京都大阪だったので恥ずかしながら原爆ドームに行ったことなくて
このプロジェクトに関わるならまずは8月6日に広島に行かなくてはと2022年に広島平和記念資料館と灯ろう流しの様子を現地で見させていただきました。
すごくたくさんの方が集まって灯ろうを流し、慰霊と平和への祈りを捧げる姿、水面に映る灯ろうの荘厳な光景にとても胸打たれました。
自分が感じたことを社内メンバーに伝え、制作はゆっくりながら2年掛かっちゃいましたがなんとか2024年夏に間に合うことができました。
デザインの寄付という形でこのプロジェクトに関わることができて、自分にできることが少しでも平和へのアクションに繋がることが出来たのかと思うととても嬉しく思います。
関わったたくさんの関係者の皆様に改めて感謝です。ありがとうございました。
金 由佳
子どものころ、黙祷や祈りを捧げるとき。手を合わせ、真摯な態度をとりながらも、遠いどこかで起きた知らない出来事のように、自分には無関係だという考えを含んだ祈りだったような気がします。
歳を重ねてようやく、その境界線と無関心さは、とても恵まれた境遇だからこそ行えていた特権だったと感じます。
自分自身にできることは決して多くありません。
それでも、多くの方々の祈りや願いが途切れなく紡がれるよう、
いまを生きる誰かが、情報そのものにアクセスし、知り、想像し、関心を持ったりつながったりして当事者となれるよう、
そうしたきっかけや存在のひとつとして、本件の制作が一助となりましたら幸いです。
私自身も、これからもいち当事者であることを忘れないようデザインに取り組みました。こうした機会を与えていただき、この場を借りて深く感謝申し上げます。
制作の進行にあたり、関係者の皆様には多岐にわたりご尽力いただきました。
本当にありがとうございました。
磯 大將
学生の頃、戦争や広島について授業で学んできましたが、同じ日本で祖父母が体験した時代の出来事なのに、当時はどこか遠い場所の出来事のような感じておりました。
久保田様からお話をいただき、改めてヒロシマについて考え直すとともに、このような活動に携わることができて嬉しく思います。
プロジェクトに携わっていただいた関係者の皆様に感謝いたします。
ありがとうございました。
薄井 拓朗
原爆ドームには高校生の時に一度訪れたことがあり、まさか自分の好きなことで関わることができるとは思いもしませんでした。
プロジェクトに参加することになり、実際に広島に訪れることはできませんでしたが、その代わりに灯ろう流しの動画を拝見し、WEBサイトで川を流れる灯ろうの雰囲気を再現できるように灯ろうを不規則に動かし、波に揺られている様子を細かく実装させていただきました。
少しでも多くの人たちにその雰囲気が伝わり、平和について考えるきっかけになれば大変嬉しく思います。
とても貴重なプロジェクトにさせていただき、ありがとうございました。

まとめ

今回は第三世代が考えるヒロシマ「」継ぐ展様へ寄付させていただいた「オンライン灯ろう流し」について紹介させていただきました。

昨今の世界情勢を見ると、「戦争」が私たちのすぐ近くで、現実として起こってしまっている状況です。
その脅威や、悲惨さを感じるようなニュースを耳にすることも増えました。
いま一度、かつて戦争を経験し後世に伝える人々の声を聞き、私たち自身が学び、考え、そして次の世代に平和の想いを繋いでいくことが大切なのではないでしょうか。

このプロジェクトが多くの方に伝わり、戦争と平和について考え、少しでも行動のきっかけになれば幸いです。

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