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#1 言葉だけじゃ届かない。けれど、言葉がなきゃ届かない「言語化の力」

辻 元気
こんにちは、栃木県にあるデザイン制作会社・株式会社アールイーデザインの辻元気(ツジゲンキ)です。
ここ数年、「言語化が大事だ」という言葉をよく耳にします。
SNSでの発信、ビジネスの会議、プライベートな人間関係まで──
「ちゃんと言葉にしないと伝わらない」「モヤモヤは言語化して整理しよう」といったメッセージにあふれています。
もちろん、それはとても大切なことです。
けれど同時に、ふとした瞬間にこんな思いが浮かびます。
「言葉にしないこと」の中にこそ、本質があることもあるのでは?

恋人や友人との関係において

たとえば、大切な人が落ち込んでいるとき。
正論や励ましの言葉より、ただ黙って隣にいてくれたほうが、心に響くことがある。
そっと差し出した飲み物や、静かなぬくもり──
それは、言葉よりも深く、安心を届ける行為です。

また、友人との間でも「言葉にしなくても通じ合える」ことがあります。
一緒にいて楽、沈黙が気まずくない。そんな関係には、言語化しない信頼があります。

でも逆に、「ごめんね」「ありがとう」「気にしてるよ」みたいな言葉をあえて言うことで、関係がもっと豊かになることもある。

大切なのは、言葉にすることと、しないことのバランス感覚
それぞれがもたらす温度や余白を、丁寧に感じ取ることだと思うのです。

言語化の効能・前に進むための“翻訳”

言語化には、やはり大きな力があります。
モヤモヤした感情、複雑な考え、見えていなかった本音──
それを言葉にすることで、他人と共有でき、自分でも整理できるようになる。

  • 恋人とのすれ違いを解消したいとき
  • 友人に悩みを打ち明けるとき
  • 仕事で自分のアイデアを伝えたいとき

言葉にしなければ届かないものは、たくさんあります。
だからこそ、言語化は“前に進む力”を与えてくれる道具でもあるのです。

でも、「しないほうがうまくいくこと」もある

一方で、言語化には限界もあります。
とくに感情の繊細な部分や、まだ自分でも整理できていない違和感。
共有する必要のない心の動きにまで無理に言葉を与えると、

  • 誤解が生まれる
  • 気持ちが冷めてしまう
  • 「正解」を探すあまり、自分の本音が見えなくなる

…そんなリスクもある。

人を安心させたいときには、しっかり言葉で伝えるのが効く。

でも、寄り添いたいときには、言葉を控えるほうがいいこともある。

「言語化しなければならない」という思い込みから、少し自由になってみる。
その選択が、関係の温度を上げることだってあるのです。

ビジネスにおける「言語化」の力

さて、視点をビジネスに移すと、言語化はさらに明確な“スキル”として求められます。

なぜ、言語化が必要なのか?

  • 誤解を減らし、方向性を揃えるため
  • 感情や価値観の共有のため
  • 相手や立場が変わっても、意志を届けるため

どういうシーンで必要なのか?

  • 企画や提案を通すとき
  • チームに方向性を伝えるとき
  • メンバーのモチベーションを上げたいとき
  • 課題の本質を明らかにしたいとき
  • フィードバックをするとき
  • ブランディングを考えるとき

つまり、「人を動かす場面」すべてに、言語化は不可欠なのです。

言語化の力はどう学べばいい?

  1. 自分の感覚を言葉にする習慣を持つ
     →「うれしい」「イラッとした」の“なぜ”を探るクセをつける。
  2. 他人の言語化を“なぜそう表現したか”という視点で読む
     →言葉の背後にある背景や意図を感じてみる。
  3. 小さな発信から始める
     →SNSや日記など、「アウトプットの場」があると上達が早くなる。

言語化のプロセス

  1. 感覚・経験を思い出す(素材を集める)
  2. そこにある“本質”を探る(なぜそれが起きたのか、何を感じたのか)
  3. 短く、自分の言葉で言い換える(本質を表現する)

これは、クリエイティブにもマネジメントにも通じる、非常に汎用性の高いスキルです。

言葉にする勇気、言葉にしない優しさ

言語化とは、感じたことを置き去りにせず、“他人と共有できるものに翻訳する”行為です。
それができると、自分の思考が整理され、人とつながる力が高まり、ビジネスでも伝える力として生きてくる。

でも、すべてを言葉にする必要はありません。
あえて言葉にしないことで、守れるものもある。

だからこそ私は、
言葉にする勇気と、言葉にしない優しさ、両方を持っていたいと思います。

辻 元気
心を動かすには、言葉だけじゃ足りない。
でも、動かすには、やっぱり言葉が必要なんだと思うのです。

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