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#4 言葉にする勇気、言葉にしない優しさ、言葉に耳を傾ける強さ「本当のコミュニケーション力」

辻 元気
こんにちは、栃木県にあるデザイン制作会社・株式会社アールイーデザインの辻元気(ツジゲンキ)です。
デザインやクリエイティブ分野において、「言語化」「ノンバーバルコミュニケーション」「聴く力」は、プロセスやアウトプットの質を大きく左右する“核”のような存在です。これらは一人のスキルで完結するものではなく、チーム全体の関係性の中で育ち、強くなっていきます。「言葉にする勇気」「言葉にしない優しさ」「言葉に耳を傾ける強さ」という3つの視点を持ち、チームとしてこれらを育むことで、より豊かな創造力と成果を生み出せるのです。
これから、各力がデザイナーとディレクターにとってどのように活かされるのか、そしてチーム全体でそれらをどう育てていくかについて掘り下げていきます。

言語化

デザイナー視点での活用

  • コンセプトや意図を説明するために不可欠。頭の中のイメージを他者に伝える橋渡し。
  • 自分のデザイン判断の理由を言語化することで、自分自身も思考を整理でき、質の高いアウトプットに繋がる。
  • 「見ればわかるでしょ」では伝わらない。ビジュアル+言葉の掛け合わせが、提案の強度を上げる。

ディレクター視点での活用

  • デザインの狙い・方針・目的を明確に言語化し、チームに共有する。
  • ステークホルダーとのコミュニケーションで、デザインを守りながら調整するための要になる。
  • 抽象と具体を行き来しながら、対話の地図を描いていく役割。

ノンバーバルコミュニケーション

デザイナー視点での活用

  • 相手の反応(表情・雰囲気・トーン)から、言葉にならない感覚を汲み取る感受性が必要。
  • ディスカッション中のちょっとした空気感の変化から、本音や違和感を感じ取れると、ズレを未然に防げる。
  • プレゼンテーション時の所作や姿勢も、デザインの一部として受け取られる。

ディレクター視点での活用

  • チーム全体の空気感を読み取り、安心して発言できる場をつくる。
  • クライアントとの会話で、相手の表情や声色から「本当に気になっていること」に気づく観察力が鍵になる。
  • ファシリテーションにおける「間」や「相槌」も、対話を支えるノンバーバル要素。

聴く力

デザイナー視点での活用

  • フィードバックを真摯に受け止める姿勢。まず受け取り、整理し、必要に応じて再解釈する柔軟さ。
  • 言葉の裏にある感情や背景まで聞き取ることで、表面的な修正ではなく、本質的な改善が可能に。
  • 途中で遮らず、問いを重ねる「受け手としての対話力」が作品の完成度に直結する。

ディレクター視点での活用

  • ヒアリングの質がそのまま成果物の質に直結。特に初期の聞き取りフェーズが重要。
  • 相手が話しやすい環境を整える、共感する、言葉にならない思考を引き出す技術が求められる。
  • 「聞いているつもり」では足りない。深く、丁寧に聴くことで関係性を築く。

チームとして「言語化・ノンバーバル・聴く力」を育てるには?

  1. 役割を補い合う文化をつくる
    言語化が得意な人、ノンバーバルに敏感な人、聴き上手な人──得意・不得意はあって当然。全員が同じ能力を持つ必要はなく、互いの強みを活かしあうことで、チームとしてのバランスが取れる。
  2. 対話の時間を惜しまない
    プロジェクトの効率だけを優先せず、「ちゃんと話す」ための時間を意識的に確保する。プロセスの中での迷いや違和感を口にしやすい雰囲気が、後のトラブル回避にも繋がる。
  3. 学び合い、フィードバックし合う
    言語化や聴き方について、ちょっとしたフィードバックや感想を伝え合う習慣を持つことで、コミュニケーションの質が上がっていく。
  4. 失敗や未熟さを許容する場づくり
    「途中で遮っちゃった」「うまく伝えられなかった」そんなことも起こる。でもそのたびに振り返り、「次はこうしてみよう」と思える場があるかどうかが、成長の分かれ道になる。
辻 元気
言葉にする力、言葉にならないものを感じる力、相手の話に耳を澄ます力。どれも、デザインという行為の根っこにあるものです。そしてその力は、ひとりで磨くものではなく、誰かと一緒に育てていくもの。
“言葉にする勇気、言葉にしない優しさ、言葉に耳を傾ける強さ”──それが、チームとビジネスの未来を変えていく。私はそう思います。

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