Customer Voice #05|三斗小屋温泉大黒屋旅館様
クリエイティブディレクターマスコです。
この夏、那須山へ行く機会がありまして、標高が高いと体感気温もぐっと下がり過ごしやすかったです。風が吹くと心地よくてもう秋を感じます。とんぼも飛んでたし。
さて、Customer Voice #05はそんな避暑地那須の山間にある三斗小屋温泉大黒屋旅館様です。
三斗小屋温泉大黒屋旅館公式Webサイト
Launch:2022.07.04
URL:https://sandogoya-onsen.com
ご依頼の経緯
大黒屋様は登山でのみ訪れることができ、大自然の中で過ごす特別感と充実感が多くのリピーターに愛されている温泉宿様です。連絡所(ご自宅)が那須塩原駅前にあり、弊社のことは以前から知っていただいていたようで最初はグッズ向けのロゴデザイン作成のご依頼がきっかけでした。そのご縁でWebサイト制作のご相談をいただきました。
これまで登山関連のポータルサイト上に情報は掲載されていたものの公式サイトが無く、アクセスについてや施設情報などの問い合わせが増えていたため、お客様の旅行計画の一助となる情報が掲載されている公式Webサイトを制作されたいとのご希望いただきました。
案件を振り返る
まずは大黒屋様の歴史や特徴をオーナーの高根沢様にヒアリングさせていただき、Web上やこれまで紹介された書籍などからも情報収集をしました。
ポイント1:歴史と特別感を感じてもらうデザイン
大黒屋様は江戸時代には山岳信仰の修験者、武士や商人の湯治場として、昭和以降は登山者に親しまれている日本最古の山岳温泉宿になります。歴史情緒あふれる建物、館内の灯りはランプといった空間は唯一無二の特別があじわえる場所です。
これまでは口コミがメインの情報ソースだったため。【行ってみるとわかる特別な場所】というイメージが強かったのですが、Webサイトを通して大黒屋様の魅力をしっかり伝えることで、【行ってみたい特別な場所】いった潜在的な顧客へのアプローチも目的にしました。
オープニングに流れる句は現地近くにある石碑に刻まれているもので歴史ある秘湯を物語る演出とキービジュアルには大黒屋様のイメージ画像をスライドで表示していますが、画像上にはキャッチコピーと英字をうまく組み合わせたモダンなマークを作成しました。(このマークは後に他のお客様から参考にしたいモダンなシンボルマークとして取り上げられました)
細かい部分ですが山岳地帯にある温泉ということで、背景には等高線をイメージしたあしらいを入れています。
このようにファーストビューから印象的にして大黒屋様の魅力をしっかり訴求することで、ユーザーへ特別感をもってもらえるようなデザインを目指しました。
ポイント2:ユーザーを意識したコンテンツメイキング
今回のターゲットユーザーは、大黒屋へ宿泊を考えている顧客層がメインとなります。リピーター様が多いお宿ですが、何度も来訪されている方も登山をして訪れるわけですからご利用方法や施設設備がこれまでと変更点はないかなど事前の情報収集は重要になってきます。季節によって山の気候は変わりますし、登山道の変更などもあるかもしれません。
こういったお客様の疑問をなるべくWeb上で解決できるように、ご利用方法に関しては宿泊、食事、温泉をそれぞれ独立したページにすることで情報の密度をあげました。
また、特に力を入れたのはアクセス情報になります。登山が条件となるため、注意事項はなるべく目を通してもらいたいという狙いでページ冒頭に配置しています。アクセス方法もイラストを用いてわかりやすく作成しました。電車、車やバス、ロープウェイなど公共交通機関も利用するため、各サイトやGoogleマップへのリンクでより情報が探しやすいようにしています。
施設案内ページでは実際に利用するお宿のお部屋などが紹介されており、事前にイメージがつきやすいように画像は多めに掲載しました。youtubeの紹介動画もあるため、実際に訪れた方のレビューも動画で確認できます。
旅の前にWebサイトを訪れれば大黒屋への行き方から注意点、現地の雰囲気がわかるようなものになっています。
お客様からの声 (オーナー:高根沢 春樹 様)
アールイーデザインに発注を決めた理由
制作中に感じたこと
ロゴデザイン制作時と同じようにこちらのイメージをよく聞きながら進めてくださいました。
歴史が長い宿の為、原稿を書く事が大変でしたが、改めて宿や周囲の変遷を知るきっかけにもなりました。
制作中は登山シーズンでもあり、インターネット環境の整わない山奥の宿では連絡を取りあう事が難しい事も多々あり、ご迷惑をお掛けしました。
公開後の感想
お客様から「ホームページ見ました」「素敵なホームページを見て予約しました」との嬉しい反響がございました。
ホームページを作る前と比べて、遠方から初めてお越しいただくお客様も増えたように感じます。
山中の宿という事で行き方や持ち物等、これまでは問い合わせのお電話をいただいていた内容について、ホームページをご覧になることで知っていただくことが出来たり、お知らせ欄で必要なことをたくさんの方へ向けて随時発信出来てお互いメリットのあるホームページとなっています。
ホームページの気に入っているポイント
全体的な雰囲気が歴史のある宿の雰囲気によく合っていると感じています。
また、始まりの文字が浮き出たり、等高線をイメージした背景等、細部までこだわりのあるデザインをしていただき、大変ありがたく思っています。
今思う、もっとこうしたい!というホームページのポイント
最近は少しずつですが、海外のお客様にもご来館いただく機会が出てきました。翻訳機能を使ってご理解いただいているようですが、必ずしも正確に翻訳される訳ではないので、英語版のページを作ってみるのも良いかなと思っています。
一緒に作り上げていただいた高根沢様からのコメントが嬉しかったです!
高根沢様、ご回答ありがとうございました。
日本タイポグラフィ年鑑2023 オンスクリーン部門入賞
日本タイポグラフィ年鑑とは1969 年に「日本レタリング年鑑」としてスタートした国内外で評価の高いタイポグラフィ・デザイン年鑑です。
日本タイポグラフィ年鑑2023では「三斗小屋温泉大黒屋旅館」がオンスクリーン部門で入賞をいただきました。お客様と作り上げたものが評価されたことがすごく嬉しかったです。お客様、弊社制作チーム、タイプグラフィ審査員の方が、全ての方に感謝いたします。
他にもアールイーデザインから応募した「本と美容室」はベストワーク賞をいただき授賞式に参加いたしました。
最後に
今回大黒屋様様のWebサイト制作を振り返ってみて、あらためてお客様のご要望へのヒアリングの重要さに気づきました。お客様の課題意識やご要望を正確に把握してコンテンツに落とし込むことが大切で、施設のことやサービスのことはもちろん、正確に伝えるべき注意点がユーザーにわかりやすくなっていないと制作目的の達成(課題の解決)につながりません。
見た目のデザイン性はもちろんブランディングの側面として重要です。代々受け継がれてきた歴史と現代ならではの宿の運営や在り方、古き良き中にもモダンな印象となる全体のデザインに仕上げることができました。
夏〜秋が登山シーズン最盛期です。ぜひ満点の星空の下、秘境の温泉につかりに三斗小屋温泉大黒屋旅館様へお越しください。
最後に、大黒屋様関連のその他制作物のご紹介です。こちらもぜひご覧ください。
そのご縁でホームページの制作もお願いさせていただくことにしました。