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2秒のために4時間待ち。カシオペア紀行返却を撮りたい、自分との戦い。

2022年成人の日、特にやることもない朝。
ふとツイッターを見ると、どうやら「カシオペア」の車両が東北本線を仙台から東京方面に向けて走るとの情報が。
あぁ、これは撮影しないといけないな!せっかく新しい機材かったしな!

「カシオペア紀行」ってご存知?

時は1988年。
私が生まれる6日前、本州と北海道を連絡する新しいトンネルが開通しました。

「青函トンネル」

字の如く、津軽海峡を潜り、青森〜函館を結ぶ全長53.85 kmの長大トンネルです。
このトンネルは設計当時から新幹線を通す目的で計画されており、今では北海道新幹線はもちろん、貨物輸送などにもなくてはならない日本の成長にとってとても重要な設備です。

さて、この青函トンネルが開通した年、ひとつの豪華な寝台列車が本州と北海道を結びます。
「寝台特急 北斗星」
この北斗星は上野を夕方に出発すると、東北本線を北上し朝にはもう札幌についているという、夢のような寝台列車でした。
全盛期では1号〜6号と毎日6本も走っていたのです。

それから一年経過した1989年、今度は大阪発・札幌行きの「寝台特急 トワイライトエクスプレス」が誕生。
こちらは日本海側の風光明媚な形式を眺められる寝台特急として人気を博しました。

このように青函トンネル誕生後、本州と北海道を行き来する列車が沢山走っていたのでした。
それから月日は経ち、20年後。

日々、本州と北海道を結んでいた寝台列車が、飛行機などの躍進や車両の老朽化に押され衰退していきました。

そんな中、さらなる上質な空間・新しい体験・JR東日本がもつ技術の総力をあげて作った、今までよりもさらに豪華な寝台列車が1999年に誕生したのです。
それが「寝台特急 カシオペア」です。

しかし、定期運用も短命に終わります。
2016年3月、カシオペア廃止。
理由としては北海道新幹線の運行が開始されるにともなって、青函トンネル内のいろいろな機器が変わる。
そのためという事でした。
(こちら、カシオペアの車両を牽引する機関車自体の問題で、客車であるE26系事態には問題ないと考えられます。)

さて、その後のカシオペアなのですが、2016年4月から団体専用列車として活躍しているんです。
これは何かというと旅行代理店が企画したツアーに使用しているという事です。
それが「カシオペアクルーズ」や、このページで取り上げる「カシオペア紀行」という旅行商品向けの団体列車なんです。

今回の車両ってどんなツアーで使ったの?

今回のツアーは「カシオペア紀行 上野発〜仙台行き(常磐線経由)」というツアーでした。
出発日は、2022年1月9日(日)。
上野(8:06頃発)~(常磐線経由)~仙台(15:09頃着)で、上野を出発して、太平洋側の常磐線を経由して仙台に行くというツアーでした。

んで、1月10日(月・祝)は返却回送。
返却回送とは何かというと…。
普段このカシオペアの客車であるE26系は、東京都北区にある尾久車両センターに保管されています。
つまりこの子の家です。
ツアーで使用したら家に帰らないといけない。
そのために今回は仙台から家に帰るというのを、東北本線を経由して行ったという事です。

どこで撮影するの?

今回、撮影地として選んだのは、JR野崎駅から南に少し進んだ「箒川橋梁」です。
こちらは鉄道写真としては有名な撮影ポイントです。

今回はこのポイントで撮影しました。

お目当てのカシオペアって何時頃、この橋を通過するの?

実は、なぜか知らないのですが、ツイッターに“スジ”が公開されていました。
スジって何?って事なんですが、鉄道用語になりまして、ようは何時頃この駅を通りますよ、この駅に止まりますよという時刻を刻んんだものがあります。それは斜めの線で描かれていることから、筋が引いてある=スジと呼ばれています。

それを見ると黒磯駅14時50分頃とありました。
そこから逆算すると、15分程度でこの橋に来るだろうと思いました。

つまり15時10分頃。

撮影機材の紹介

ちゃんとしたカメラ、自分のためにほしいな。
と思い、比較検討した結果CanonでもNikonでもなく、FUJIFILMに着地。

まずはカメラ本体。
こちら、FUJIFILMの「Xシリーズ」最高性能を発揮するフラッグシップモデルのミラーレス機「X-T4」を購入しました。
富士フイルムということで、色の表現がものすごく綺麗で素敵だなと印象。

そしてレンズ。
望遠レンズは、現在発売されている中で一番デカいサイズのフジノンレンズ XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
広角レンズ、フジノンレンズ XF16mmF1.4 R WR
を持参しました。

実際に使用したのは望遠のみになります。

まずはテスト撮影

現地には11時頃に入り、ひたすら待つ&練習していました。
悲しいお話しなんですが、通過時刻が15時10分頃という事で、すでに日は傾き逆光となる時間帯。
う〜ん順光、または半分くらいは当たっていてほしいと思いましたが、しょうがないですね。
ですので、前半のテスト撮影は構図の確認だけになります。

205系 Y12編成

まず初めに来たのは懐かしの、205系です。
こちらも引退しちゃうんだよなぁ。

E233系 U223編成

こちらはグリーン車を増結していない、5両編成のE233系電車になります。
主に宇都宮から南に行く上野・東京ラインだと現役バリバリの車両ですね。

205系 Y5編成

こちらは黒磯〜宇都宮ではバリバリ現役の205系です。
こちらも引退ですね。

EH500-58+タキ1000(ケツが切れたことが悔やまれる)

こちらは横浜市磯子区の根岸と福島県郡山を往復しているガソリンを積むための車両です。
根岸で積んで、郡山で下ろす。

E131系600番台TN6編成

こちら今年2022年3月12日のダイヤ改正から宇都宮線・日光線の新しい顔となる新型車両です。
この日は試運転していました。
悲しいお話しですが、宇都宮線へのグリーン車の乗り入れもこのダイヤ改正でなくなります。
つまり、宇都宮線(宇都宮〜黒磯)は上野・東京ライン直通の乗り入れがなくなるので、実質ローカル線に格下げとなります。
このグリーン車のお話は後日公開します。

参考:JR宇都宮・日光線にE131系導入、205系置き換え「いろは」も引退 2022春ダイヤ改正
https://raillab.jp/news/article/26369

4時間後…ついにその時が来た!

EF81-81+E26系

この10秒足らずの通過する瞬間のために寒空の下、4時間待ちました。
先頭はEF81-81。真っ赤なボディがかっこいい。その後ろに12両の客車を連ねて、橋を渡ります。
すごい長いですね。

しかし、あっという間に通過していきました。
実際にシャッターを押している時間も2秒くらいなので、4時間待って2秒しかと言ったら驚きでしょうか。

とても良い経験ができましたし、車体がカッコよくて感動しました。

撮影機材

  • カメラ:FUJIFILM X-T4
  • レンズ:XF16mmF1.4 R WR
  • 現像:Adobe Photoshop camera RAW(2022年最新版にて)

次回予告

次回、「廃止間近!片道270kmグリーン車の旅(予定)」絶好調編集中。
4時間の映像と圧縮して色々やると時間かかるし、めんどくさいなぁ……。

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